『動物の学校』(R.H. リブス)

2020年05月08日

ティーチングよりもコーチングが好まれる今日この頃です。

親としては,ついつい子どもの得意なところをほめるよりも,苦手なところに目がいき,注意してしまいがち。

私の場合もそうでした。何より得意なことは自分では普通にできるので,強みと自覚しない場合が多い。

その意味で,強みを見つけだしてあげることがコーチングの肝要なところでしょう。

これはなかなか難しいものです。

『動物の学校』(R.H. リブス)

その昔,動物たちは,世界の様々な社会問題を解決するために何かしなければと考えて,学校を設立すること にした。

科目は「かけっこ」「木登り」「水泳」「飛行」であった。学校を円滑に運営するために,すべての動物にこれら4教科の履修が義務づけられた。

アヒルは,水泳の成績は優秀だった。先生よりもうまかった。飛行もいい成績だったが,かけっこが苦手だっ た。それを補うために,放課後,居残りをさせられ,そのうえ水泳の授業時間まで削って,かけっこの練習をさせられた。やがて,足の水かきは擦り減り,水泳も平凡な成績に落ちた。しかし,学校は平均的な成績でいいとされており,アヒル本人以外は,誰もこのことを気にかけなかった。

ウサギは,かけっこにかけては,最初から優等生だったが,水泳が苦手で,居残り授業ばかりさせられているうちに,メンタルヘルス不調を起こしてしまった。

リスは,木登りが上手だったが,飛行の授業では,木の上からではなく,どうしても地上から飛べと先生に強制され、ストレスがたまる一方だった。疲労困憊の末,肉離れを起こし,やがて木登りも「C」,かけっこも「D」まで落ちた。

ワシは,木登りの授業で,いつも一番速く木の上に到着したが,木の幹を登るようにという指示にどうしても従おうとせず,問題児として認識された。

結局,学年末には,泳ぎが得意で,かけっこもまぁまぁ,木登りも飛行もそこそこという風変わりなウナギ が,一番高い「平均点」を獲得し,卒業生総代に選ばれた。